エフコープ協同組合様の依頼を受け、冷蔵庫内の食材を管理する会員向けアプリ
「コープのれいちゃん」を開発。
企画から開発・運用までお客様と意見交換を繰り返しながら、
エンジニア、デザイナー、営業、各専門分野のメンバーが関わった。
本当に使われるサービスは何か、追求を重ねたプロジェクト。
PROJECT
MEMBER
※職種はプロジェクト当時のものです。
PROJECT STORYプロジェクトのストーリー
買い物や献立の悩みを解決する
「食材を管理する冷蔵庫アプリ」の開発
Q.「コープのれいちゃん」プロジェクトの
概要と、チーム構成について教えてください。
矢部:今回のプロジェクトは、主婦や働く女性の方々を対象にしたアプリ開発のプロジェクトとなりました。忙しい中での買い物や献立選びに悩む方が増えている中で、冷蔵庫に残っている食材を思い出せずに買い足し、結果、無駄な買い物をしてしまうなどの悩みを持つ方々が増えています。
食材の宅配サービスを提供するエフコープ様も、利用者の多くが同じような悩みを持ち、宅配サービスを使いこなせていないことを課題としていました。そうした課題感のもと「食材を管理する冷蔵庫アプリを開発したい」という依頼をいただき、プロジェクトがスタートしました。
ヤン:チーム構成は、プロジェクトマネージャー、営業、サービスデザイナー、UIデザイナーで構成されていました。専門分野によるアウトプットがはっきりしており、各役割分担を意識しながらプロジェクトを果たすということにおいては、目標意識を高く持つことができたチームだったと思います。
お客様は福岡の会社だったため、出張の頻度も高く、チームメンバーで一緒に過ごす時間が長かったのですが、それによってメンバーそれぞれがどんなキャラクターであるかを理解できました。チームとして果たす課題をどう応えるかをみんなで考えられた、いいチームだったと思います。
Q.プロジェクトはどのように進めたのですか?
浦田:サービスデザインの手法を用いました。まずお客様が初期のプランやアイデアを持ってきてくれているので、我々はその意図や、何がしたいのかを理解する場を設けます。そこでプロジェクトのゴールと、どのような問題があるか等の説明を受けます。
次に実際に利用するユーザーを理解するということで、今回はエフコープ様の組合員である主婦の方を対象として、「生協をどのように使っているか」、また生協だけにフォーカスするのではなく、「食に関する家事をどのように行っているのか」などのインタビューを行いました。そこでユーザーの理解を深めた上で問題の解決策を設定し、ワークショップを行いました。解決策を設定した後は「プロトタイピング」といって、UIデザイナーが画面を起こしながら実際に具体化していくフェーズになります。
その後、作ったものが実際にユーザーが使えるものなのか、「ユーザビリティテスト」を行います。そしてちゃんと使える、ということになれば実際に開発が始まっていきます。
冨山:サービスデザインをちゃんと進めてきたプロジェクトなので、開発側のやりやすさよりも、開発に入る前の過程で行った検討やユーザーテストの結果を重視して進めてきました。開発段階でサービスデザインのフェーズで決めたことと違うことになってしまわないように気をつけ、決めたことを常に意識して開発を進めました。
Q.プロジェクトはどのように進めたのですか?
木村:お客様側で一年近くかけてやりたいことを整理されていたこと、通常のECや小売とは少し異なる業態であるがゆえのマインドの違い、の2点を私たちがきちんと引き出して理解することが肝と当初から感じていました。ただ、生協って女性だと比較的なじみのあるサービスですが、男性はなかなか直接利用することも少なく、最初はズレを感じてモヤモヤしていた時期もありました。
お客様側の担当者の方が2名とも女性だったのですが、お客様側でも「伝わってるかな?」という不安があったようで、その隔たりを埋めて解消していくのが自分の役割だった気がします。
矢部:今回のプロジェクトでは、サービスデザインから開発、そしてその後のプロモーション施策まで全て関わらせていただいたため、多くの方々とのコミュニケーションが必要なプロジェクトでした。物理的な距離が離れていることも大きかったのですが、お互いの意図したことや想いをきちんと汲み取り、ただ作るだけでなく、よりよいサービスをユーザーである組合員さんに届けられるかが課題だったと捉えています。
Q.苦労したことや工夫したことは
どんなことですか?
浦田:特に今回のお客様は、みなさんだいたい新卒で入って20年、30年勤めあげている、自分の経験と知見に自信を持っている方々で、そこにその業界未経験である私たちが入っていって何か偉そうに話をしても、きっと響かないし、良いチームになれないと思いました。
ですから、実際のユーザーに会って一つ一つきっちり理解するというプロセスを、お客様と一緒に踏んでいくというのは非常に大事なことでした。お客様が10年、20年やってきたその知見と、テックファームがデザインするITや設計が一つとなった瞬間がありました。サービスデザインをチームで生み出したときの効果を実感しましたね。
サービスデザインのプロセスを踏みながらゴールをしっかり共有することで、ぶれることなくサービスの質を高められ、本当に使われるアプリを作ることができたと思います。
冨山:開発側としては、サービスデザインで決めたことをアプリでイメージどおりに実現できているかを、常に意識していました。モックではなく、実際に動くアプリとして早い段階で見てもらい、実際の端末で見たときに色味、大きさ、動きなどがイメージとギャップが出ないようにしました。
実際のアプリで見るとイメージより色が薄かったり、大きすぎたり、動きがイメージと違ったり、といった場合もあり、そのときも開発側の都合だけで修正せず、常にデザインチームと相談して、今まで決めたことを崩していないかを確認することで、全体のイメージを崩さずに進めることができました。
COMMENTプロジェクトを終えて
- プロジェクトマネージャー
- 冨山 光紀
- 2013年中途入社
- サービスデザイナー
- 木村 真衣
- 2013年中途入社
最初はお客様との関係性をつくるのが大変でしたが、一度信頼を得てからは、作業がとてもスムーズに進むようになりました。これまでのプロジェクトでもお客様の求めていることを察知するように心がけていましたが、改めてその重要性を認識したプロジェクトでした。
- 営業
- 矢部 翔一
- 2012年中途入社
お客様を含め、今までテックファームで担当した中で一番と言っていいほどいいチームでできたプロジェクトでした。お客様も含めて一体となり、一つのゴールを目指していくことができました。自分たちが作ったものを心からお客様に使って欲しいなと思うことができました。
- サービスデザイナー
- 浦田 伸男
- 2010年新卒入社
一時期プロセスにこだわりすぎて意識の共有が疎かになってしまい、お客様を不安にさせてしまいました。「何のためにこれをやるのか」を常にチームで共有し、コミュニケーションをとりながら進める重要性を痛感しました。この案件以降はお客様に合わせて柔軟にカスタマイズできるようになり、自分の成長にもなりました。
- UIデザイナー
- ヤン へウォン
- 2017年中途入社
私が日本に来て初めてのプロジェクトでした。デザインフェーズに入ると私も福岡に行き、お客様と会ってお話しながら作業を進めていきました。最初は日本語がちゃんと使えているかも不安でしたが、お客様と話すうちに自分のやるべきことが少しずつ見えてきました。自分が成長できた、思い入れが深いプロジェクトです。
「これは絶対にいける!」と皆が熱い気持ちで進めていった中、もし想定通りにいかなかったらどうしようと思うと、開発側としては少し不安もありました。最終的にはお客様に満足してもらえ、設定した目標も達成できて、ホッとしています。