日本の果物の海外輸出を増やすため、農業をいかに効率化していくか。
テックファームの技術力で、日本の農業の競争力向上を支える、現在進行形のプロジェクト。
最新技術を取り入れながら、成長の著しい農産物輸出の分野でお客様と一緒にビジネスチャンスをつかむ。
PROJECT
MEMBER
※職種はプロジェクト当時のものです。
PROJECT STORYプロジェクトのストーリー
「日本の農産物を世界へ」
日本の農業をテクノロジーで
支えていくプロジェクト
Q.このプロジェクトの概要について
教えてください。
現在取り組んでいるシステムは、大きく分けて3つあります。
1つめが、「AIを使って果物を選別するシステム」。
2つめが、「海外の輸出先で取り扱う果物や青果の在庫を管理するシステム」。
3つめが、「国内の生産者から商品を仕入れて輸出するまでの流通のシステム」です。
Q.もともとどのような課題があったのでしょうか?
そのために、例えば海外に農産物を輸出したいと思っても、「どこがどのような果物を欲しがっているのか」、「どんな品質のものでなければいけないのか」など、まずどこへ話をして、何をすればいいのかが分からない、というのが現状だと思います。それを解決していくことも今回のプロジェクトの大きなミッションの一つです。
また、農業分野はIT化が進んでいないところが多くあります。それは日本だけではなくて輸出先の海外でも同様です。このままでは、輸出の量を増やせば増やすほど人も増やさなければなりません。アナログなままである取引や商品管理を、IT化によっていかに楽にするか、効率化するか、と言うのも大きな課題です。
農家やお客様のヒアリングを重ね
大幅な効率化に成功した
Q.IT化されていないというのは
具体的にはどんな状況だったのですか?
遠藤:特に農業流通については、地域の色々な農家さんの果物を集めて、まとめてから販売をするので、その中間中間で多くの卸業者が存在しています。その各業者間のやり取りは、全て紙で行っており、海外に輸出するにもさらに同様の手間がかかります。これは農業に限らず日本の一次産業に多く見られる課題だと思います。
Amina:海外でも同じような状況がありました。私は去年の6月海外視察に行き、小売システムを実際に使用する方にお会いしてきました。
お話を聞いたところ、現状では小売管理のやり取り全てを個人の携帯のチャットで行っていました。効率の悪いやり方で残業が非常に多いのが問題だった上、就業時間が終わっても個人のスマートフォンに注文がくるので対応しきれず混乱している、とのことでした。
ヒアリングを元に必要なシステムを開発したところ、導入後は大幅に残業を減らすことができました。
Q.実際に現場の声を聞くところから
始まるのですか?
青果選別システムのプロジェクトでは、山梨の果物を仕入れる現場に実際に行って、農家の方に会い、悩みや問題をヒアリングしてきました。ヒアリングを元に、良い果物、悪い果物を選別する効率的な方策を検討し、どのような画像を撮影し利用していくのが良いか検討を進めました。
撮影機材もこちらで用意し、プログラムは主にAminaが開発を担当しました。どれが良い果物でどれが悪い果物かという情報を現地の方にいただき、その基準を機械に学習させて、半自動で判定させる、という方法を社内で研究・開発していきました。このようなシステムは業界的にないわけではないですが、いかにコンパクトにし、現場で使いやすいものにするかを追求していきました。
お客様の声をしっかり聞き
新しい技術を取りいれ実践していく
Q.このプロジェクトは自分から
希望して参加したのですか?
遠藤:ITの世界は技術の移り変わりが非常に速いです。自分のスキルはすぐ陳腐化してしまいますし、新しい技術は大抵これまでの課題を解決してくれます。それを常に取り入れて実践してくことが、我々の仕事をしていく上でとても重要だと考えています。ただ普段のプロジェクトの中で、必ずしも新しい技術に触れられるわけではないので、勉強会という形でプロジェクトとは別の機会を設けています。
上夏井:もちろん大変なときもあります。業務時間に行っている勉強会である以上、自身が準備でもらった時間でいかにテーマに沿った学習ができるかはもちろん、参加者も業務時間中に参加しているため、発表内容は参加者全員に何かを持ち帰ってもらえるレベルであることが求められます。
遠藤:全員参加の業務内で実施している点がポイントです。持ち回りで発表担当が変わるので、その準備も大変ですね。
田中:勉強会でしっかり学んでいたベースがあったので、WeAgri様から機械学習や画像認識のお話があった際にすぐ、「テックファームで試せます!」となりました。
Q.技術面でこだわったことはありますか?
上夏井:個人的には色々な人に使って欲しいので、メインの部分は他の業界でも使えるような汎用性のある設計をしたいと思っています。
田中:用語が専門的であったり品物の数え方が違ったりするので、そこをシステム化しようとするとどんどん複雑になってしまいます。それをいかに最小公倍数でシンプルにするかは苦労しました。
また、プロジェクトで使う技術に少しずつ最新のものを取り入れながら、なおかつ複数のプロジェクトで共用できるようなライブラリやプラットフォームを作っていく、ということを心がけていました。そういうことができる自由度がテックファームは高いですね。
日本の農業を支えるやりがいと
最新技術を実用化していく面白さを感じた
Q.特に大変だったことを教えてください。
上夏井:WeAgri様が思っている課題と、当社から見た課題が違うことがよくあります。そのズレをしっかり把握できていないまま作り始めると、せっかくできてもあまり役に立たなかった、ということが起きてしまいます。WeAgri様はシステム会社ではないので、色々こちらから提案させてもらえ、ある意味自由にやらせていただけます。その反面、考えることはとても多いので大変です。
田中:単純に「こんな物を作ってください」と依頼される仕事ではなく、WeAgri様と一緒に課題を分析し、解決するために何をしたらいいか、というところまで踏み込んでのプロジェクトになるので確かに考えることは多いです。大変ではありますが、そこがやりがいを感じる部分でもあります。
Q.このプロジェクトの面白さは
どこにありましたか?
Amina:自分が興味を持った技術を実際に活かせるところが面白いです。プライベートで勉強して面白いなと思ったことを提案したら「ぜひやってみてください」と言ってもらえました。色々なチャレンジができ、技術面でもとても成長できました。仕事が選べると言ったら言い方は変ですが、自分がやりたい仕事はだいたいやらせてもらえるのはテックファームならではかもしれません。
COMMENTプロジェクトを終えて
- 執行役員
- 遠藤 徳之
- プロジェクトマネージャー
- 田中 秀憲
- 2009年中途入社
日本の農産物の輸出という、毎年10%以上成長している分野で、どのように踏み込んでいけるのか。お客さんと一緒にビジネスチャンスをつかむとしたら誰と交渉して、どんなシステムを入れたらいいのか。ビジネス面でも自分のアイデアで工夫できるところが面白いプロジェクトです。
- エンジニア
- 上夏井 圭子
- 2014年中途入社
少人数で短いスパンで作業をするのは大変ですが、企画から実装までこの規模で携われる会社って実はあまりないと思うので、そこが面白いところでもあります。割り当てられた一部分を作るのではなく、何が必要かを考え、ゼロからものを作ってみたい人にとって、この会社は多くの挑戦ができると思います。
- エンジニア
- Allali Amina
- 2017年新卒入社
海外の小売管理システムでは、導入して1、2週間で「大幅に残業が減りました。」というフィードバックがあり、すぐに結果が出たのでとても達成感があり、うれしかったです。自分がやっている仕事は影響力がある仕事なんだと実感できて、感動しました。
この先も様々な構想がありますが、WeAgri様を我々がITの面から支え、一緒に成長していけることが理想の姿です。今回参加してくれたメンバーを含め、テックファームが培った技術力と人材の多様さが、このようなプロジェクトを支えていると実感しています。